2004年10月21日 (第1752号 )
仙台高裁、藤村さん事件の控訴棄却
捜査に協力、一転、「犯人」にされた無念
即日上告し「闘う」、無実の人は無罪に
最高裁に向け、たたかいを継続
 人工呼吸器の操作スイッチを誤って押して患者を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた国立療養所岩手病院(岩手県一関市)の准看護師・藤村タヅ子さん(五〇才、全医労組合員)の控訴審判決公判が十月十四日、仙台高裁で開かれました。田中亮一裁判長は一審の有罪判決を支持し、被告側の控訴を棄却。判決後、藤村さんは直ちに上告しました。
 田中裁判長は、裁判の焦点となった「電源スイッチを(消音スイッチと思い)間違えて押したかもしれない」という当初の捜査段階での藤村さんの供述について、信用性が高いとしました。被告側は、藤村供述は「消音スイッチと間違えて電源スイッチを押したのではないか」という警察側の執ような取り調べの中で、「もしや自分が……」と思い込んで行われたものとして、無罪を主張してきました。
 公判では「自白偏重の調書」(弁護側)を疑問視する供述や看護師のメモが多数提出されました。スイッチの誤操作があれば患者は少なくとも「数分で死亡」(主治医)とされますが、患者のそばに薬を置きに行った看護師は誤操作があったとされる時間の三十分後も「人工呼吸器は動いていた」と看護記録に記載していました。
 同看護師は後日、この記録やメモ内容についての供述を変更しますが、それでも患者の容体異変に気づいた一時間半後、必死にそ生を試みた数人の看護師は「死後一時間も経っていないほど患者の体は温かだった」と証言していました。
 控訴審判決で裁判長は主治医の証言に客観性はなく、「体が温かだった」という看護師の証言についても「主観的な感想」として退けました。
 藤村さんは同日開かれた抗議集会で「明日にむけ闘います」と決意を述べました。

「自白偏重」は、別の事件でも
不安な時は相談を

 「自白」を唯一の証拠として有罪にすることは、憲法第三八条で禁じられています。これは、それ以前の「自白」偏重の捜査(時には拷問もあった)により、無実の人を犯罪者にしてきた反省からだと言われています。
 「自白」によって、犯罪者を「創る」ことは、今回の藤村さん事件に限りません。この九月にも「警察から犯人扱い」された、という別の事件が朝日新聞等に紹介されています。「犯人扱い」された方は、長い時は、朝の九時から深夜○時頃まで警察で「事情聴取」を受け、ポリグラフ(嘘発見器)にもかけられました。
さらに、疑われた方の子どもまで交番に呼ばれ、ブラインドを閉め鍵もかけて母親の自首を迫られました。本人の抗議に、地元の警察は「迷惑をかけた」と謝罪したとの報道です。
 捜査に協力しているつもりが、いつのまにか自分が犯人にされようとしているなんて、信じられないことですが、現実です。不安に感じたら、県医労に一声かけて下さい。顧問弁護士と相談し、対応していきます。

学習パンフ完成、チラシも 一体的運営で、私たちの職場は?
 県立病院を各圏域の広域基幹病院だけにしようという「一体的運営」の案が組合に提示されています。調理業務や医事業務の「委託」をさらに推進し、検査も圏域毎に広域基幹病院に集約(これは十月から一部で試行)。予算や物品購入なども集約するという内容です。これまで、支部長会議等で説明してきましたが、組合員学習資料としてまとめ、地域住民のみなさんといっしょに学習することを呼びかけています。
 この冊子を知らせるチラシも各支部に送付しています。

初めての年次で
フレッシュセミナーに参加!

 フレッシュセミナーの第一回目は、十月二○、二一日、雫石町鶯宿「ホテル森の風」で開催され、新入組合員を中心に三十五人が参加しました。
 佐々木茂喜学校長のあいさつに続き、佐々木忍青年部長が本部青年部の中央交流会などの行事を紹介しながら歓迎のあいさつをして講義開始。最初に、憲法の学習ビデオを上映。改めて、憲法に触れ、平和を守ることの大切さを学びました。
 レクも交えながら、県医労のあゆみ、権利について、労働者・労働組合そして青年部・女性部の各講義を受講。夜には、自己紹介と今回参加した動機について一言ずつ紹介していただきました。参加した動機を「憧れているM主任に誘われて…」との発言に、付き添いとして参加していた当人Mさんが大照れする場面もありました。
 グループに分かれて行ったフリートークでは、年次や夏期休暇、超勤の状況など職場交流しました。
 「いろいろな人の意見を聞くことができ、視野を広めることができた」「自分の権利は自信を持って主張していくべきだと思った」
「たくさんの権利があることに感動。知識がないと損をすると感じた」「組合員の一員として、様々な活動に参加していきたいと思った」など、それぞれ感じたことを胸に職場に戻りました。


輝け憲法!平和CDコンサート  〜パート・臨時のつどい〜
 第 3 回パート・臨時のつどいが10月16日、盛岡劇場タウンホールで開催され一般市民も含めて38名が参加しました。今回は「輝け・平和CDコンサート」と題して釜石革新懇事務局長の前川慧一氏による構成・演出で開かれました。パート・臨時労組連絡会の役員が「特攻隊員」やその母・妻などに扮して朗読を行い、尊い命が犠牲にされ家族が崩壊させられる「戦争の悲惨さ」を追体験しました。
 最後に参加者全員で憲法 9 条全文を唱和し、平和を守るために、できることから行動しようと誓い合いました。


県医労まつり
と き 11月20日(土)17時現地集合
      21日(日)正午頃解散
ところ 「宝来館」
     釜石市鵜住居町20-93-18
     TEL 0193-28-2526
内 容  1 日目
     美味しい海の幸で
         楽しく夕食交流
    2 日目「船釣り」など
費 用 組合員無料!!
   家族(中学生以上)…5,000円
     (小学生以下)…3,000円
     (幼 児)
     …布団代、食事代実費で

   注意 旅費・日当、船釣り代は自己
      負担、もしくは支部負担とな
      ります。ご了承ください。


つぶやき
 食欲の秋。ついついりんご、なし、みかん、せんべい、チョコレートと口にポンポン。お腹もポンポン。早朝の犬の散歩でダイエット。私の体重は、上昇ムードです。
磐井支部 チャピーママ

 患者数減!と言われ続けて久しいのですが、活気ある待合室に戻れる日がくるのでしょうか。大きな不安を抱えて生活しています。
北上支部 満 月

 もうすぐ雪の降る季節…。大東の冬はスゴイらしい。生きていけるだろうか。部屋に一人引きこもるかもしれないなぁ〜。今から冬眠の準備をしなきゃ!
大東支部 タケやん

 今年の何とか支給された寒冷地手当。今後もぜひお願いしたい…。
南光支部 一組合員
 仕事以外にやらなければならないこと(看護研究、委員会、新病院に向けての電子カルテの取り組みなど)がありすぎて、気分的に落ち着かない日々を過ごしています。
  磐井支部
   プーさん大好き
        おばさん

 今年の夏は暑かった!。またそのためか蜂刺され、蛇による被害を受けた患者さんが多かった。秋はなんだ?熊による被害かなァ…皆様が健康でありますように。
大東支部 田舎モン

 土・日・祝日勤務が最低人員でなのに、やる仕事は月〜金と同じ量。家に帰るとぐったり。夕食作りがツラいです。
南光支部 ピー子


● 犯罪を 情熱という ノオノーさん(何大臣?)

● 嘘教え 新採用者に サービス残業(いえ、親切心です?)

● 上総理 下山拓の 半身疑惑(政治家らしい)


 「部下の人にポスター掲示や入会勧誘など、情熱あまってのことだと思う」。公職選挙法違反で多くの逮捕者を出した南野(のおの)知恵子法務大臣の国会での答弁です。これが日本の法を司るトップというのですから、呆れ返ってしまいます▼南野法相は、看護連盟の組織内候補。先の参議院選挙で、兵庫県・赤穂市民病院、北海道・室蘭市民病院、山形県・酒田市立病院などの看護部長などが、勤務中に南野後援会の政治活動をおこなったとして、公選法違反で逮捕されています。法違反者を出して、なお、無反省▼「就職すると本人の承諾なしに看護連盟に入るようになっていた」。これは、赤穂市民病院の例です。南野氏に関わって、今、選挙違反とは別の疑惑が持ち上がっています。看護連盟からの一億五千万円の政治献金の取り扱いに関わってです▼厚生労働省は、公益法人(看護協会など)と政治団体(看護連盟など)との峻別を求める通達を出しています。しかし、協会と連盟は、事務所や事務担当者などが同じというケースが二七府県も。多くの看護職員の思想・信条の自由を侵害する犯罪が、「情熱」的にやられたらたまったものではありません。