私たちが築いてきた「地域の病院」の縮小・廃止はダメ!!−高齢者を直撃する医療制度の改悪は大問題−

 
 県立紫波、花泉病院の充実等の県議会への請願は、残念ながら10月の常任委員会で否決されてしまいました。「請願の趣旨は、医療局長の答弁等から生かされる」という一委員の発言もありましたが、ではどうして否決となったのでしょうか。一方で、合併後の選挙で新たに議員が選出された一関市議会では、議員発議として花泉病院の存続を求める決議が採択されています。
 花巻の岩手労災病院でも、釜石市、盛岡市などの自治体立病院でも、その医療機関をどうするかを、地域住民、患者の声を無視して決めてはいないでしょうか。ひょっとしたら、私たちの声が小さくて届いていないのかもしれません。
 また、総選挙では争点にされなかった庶民増税や憲法「改正」が議論となり、医療制度の改悪も具体化されつつあります。狙われているのは、高齢者。地域から病院がなくなり、病院を受診するのにもっとお金がかかるようになると、私たちの生命や健康はどうなるのでしょうか。
 岩手県の病院、国保の歴史は、決して「つくってもらった」のではなく、住民がつくり上げたものです。まだ間に合います。「地域の病院」を守るためみんなで誘い合って、26日の集会に参加しましょう。

地域医療を守れ!県民大集会2005年11月26日 (土)
講演 「どうなる医療制度改悪と地域の医療」(仮題)
講師 坂 正毅先生
(仁王診療所院長・岩手県民主医療機関連合会顧問・岩手県保険医協会副会長・前盛岡医療生協理事長)
主催: 地域医療を守れ!県民集会実行委員会 (いわて労連・岩手自治労連・岩手医労連・県医労)
協賛: 国民大運動岩手県実行委員会



県立「診療所」で生命を守れますか?

 無床診療所から19ベッドの有床診療所に計画が変更されたことで、安心してはいませんか。これで病院の赤字が解消される訳ではなく、赤字の額がほんの少しだけ改善されると、医療局が言っているだけなのです。花泉病院では年間900万円と試算されています。これだけの金額のために、病院をやめて診療所にするというのです。

花泉病院の充実を求める請願は継続審査中 県立「診療所」にして、900万円「節約」

 「入院は圏域で対応」などと説明されていますが、広域基幹病院はいずれも急性期の短期入院型。平均在院日数は20日を切っています。この広域基幹病院から地元の病院に転院を、と思っても、「診療所」では入院日数も限られます。さらに入院期間が2週間を超えただけで、入院の加算点数(診療所の収入)が半分以下にもなり、退院をせまられることになります。県立「診療所」にして、私たちの生命、健康は守られるのでしょうか。
 盛岡近郊のある一般診療所は、平均入院患者は9人で、病床利用率は43.7%となっています。

どこに入院できますか 盛岡近郊の一般診療所


岩手労災病院の存続を
患者さんに必要な医療

 地元花巻市や、県議会でも存続の運動を続けています。しかし、国の廃止方針は変わらず、「後医療」をどうするかという方向に進んでいます。岩手医大が取得を断念し、他の医療機関に働きかけているようです。脊髄損傷の労働災害等の患者さんにとっては、他に替え難い医療機関として利用されています。どうして地元の反対を押し切ってまで、患者さんに必要な医療を切り捨てようとしているのでしょうか。

 必要な医療機関は、国・県・自治体の責任で存続をさせましょう。

自治体病院は生命の砦

 国の医療政策の結果、自治体立病院の赤字は7割を超えています。住民の健康や生命は、営利優先では守れないのではないでしょうか。釜石市民病院は、累積赤字等を理由に「統廃合」=(廃止)が進められ、盛岡市立病院でも黒字にするための「改革」がされようとしています。
 東北・北海道の医師不足は深刻です。特に、小児科、産婦人科は、一刻も猶予できない状況です。自治体立病院も例外ではありません。

 抜本的な改革が必要なのは、こうした医師確保対策ではないでしょうか。






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