県立病院改革プラン 私(利用者、住民の)評価は?

 
 「内部留保金が枯渇し、病院運営に重大な支障が発生する」、として岩手県医療局が大がかりなリストラ策=県立病院改革プランを策定して、3年目を迎えています。
 私たち労働組合が問題点を広く県民の皆さんにお知らせし、県立病院のある地域の住民のみなさんが「こんな地域切り捨ての方針はだめだ」「診療所にすることには反対だ」と声をあげました。たくさんの請願署名等が知事や医療局長、県議会にも届けられ、計画の一部は変更になりましたが、「住民の理解を得ながら」と言いながらも、実行に移されつつあります。
 すでに計画が実行されて2年目。みなさんが利用する県立病院は、どう変わったでしょうか。医療局や県立病院経営委員会では左の表のような評価です。周りの方と話し合い、県民のみなさんが評価してみて下さい。

取 組 項 目 医療局
評価
経営委員会
評価
私の
評価
一体的な運営の仕組み
*事務用品は、地元の業者でなく広域基幹病院で契約した業者に注文
*職場検診などの予約は、広域基幹病院を経由して実施
(一部は、医師会に回される)
A B  
病床規模の適正化
*5病院で288床を休止
*圏域でベッド利用率が向上?
(大船渡病院では、前年比3.6%減)
A A  
医師の絶対数の確保
*昨年度は採用71人、退職96人
*計画では、40人の増
*一方で、医師以外の職員の削減は予定どおり138人減
C C  
医師の地域偏在の緩和
*小児科、産婦人科の医師のいない地域は拡大しています
*受診の都度、毎回医師が代わる病院も
C C  
医療の質の確保
*軽米病院の1人夜勤は6ヶ月を超えました
*入院日数の短縮化が、ますます強められています
C C  
A:順調、B:概ね順調、C:やや遅れている、D:遅れている
○:賛成、×:反対、△:よく判らない

 

憩もできず…
 病院で使用する消耗品や、保存の効く食材などは、広域基幹病院での注文となりました。検査技師が1人だけ、という病院が2カ所になりました。職場検診などの申し込みが、広域基幹病院での受け付けになりました。さらに来年4月からは、紫波、花泉病院が、19床の診療所にされ、さらなる病床削減も予定されています。
 まだ間に合います。「おかしいのでは」、「これでは安心して暮らせない」、「計画をきちんと説明してほしい」などの声を上げましょう。

※注 広域基幹病院とは中央・久慈・二戸・北上・胆沢・磐井・宮古・釜石・大船渡病院のこと




県立花泉病院の 存続、救急充実を請願

 5つの県立病院の診療所への規模縮小計画は、県民に見えないところで、着々と進められています。伊保内病院では、今年4月から常勤医師は4人から2人となりました。花泉病院でも、今年10月から2人に減りました。また、紫波病院では、どうやってスムースに診療所に移行できるかの検討がされています。
 医療局では、「診療所の基本的事項」をマスコミには提示(別記)しました。ところが、ある病院では看護師の1人夜勤が検討されているなど、大事な情報が職員、住民に隠されているようです。
 診療所の設置に向けた条例改正は、12月県議会となります。まだ道は残されています。11月26日(土)、午後から開催される「地域医療を守る県民大集会(仮称)」を、「診療所化は困る」「反対だ」「地域の病院を守って欲しい」という声をあげ、多くの県民の参加で成功させましょう。

県民大集会を開催します
花泉病院の充実を求める請願は継続審査中
花泉病院の充実を求める請願は継続審査中
紫波病院の充実を求める請願も継続審査中
紫波病院の充実を求める請願も継続審査中

診療所の基本的事項(医療局案)
1 基本方針
■ 外来及び初期救急を中心に、一定の入院需要にも対応するなど、現行診療機能を維持する。
(労働組合のコメント:あくまで外来中心の診療所という意味)
2 診療機能等
■ 診療機能の維持等
地域の公衆衛生活動(健康診断及び予防接種)や訪問診療及び訪問看護は、原則として継続する。
(労働組合のコメント:しかし、申し込み窓口は、診療所ではなく、広域基幹病院です)
■ 入院ベッド数 19床(圏域で入院需要に対応)
(労働組合のコメント:圏域でなく、その地域の福祉、在宅に応じた入院に対応することが大事ではないでしょうか)
■ 初期救急医療機能の維持
休日・夜間の医師の当直及び看護師の常駐体制を確保する。
3 診療体制
■ 医  師 平均3人以上となる体制を確保する
■ 看護部門 当面、看護師17人
■ 薬剤、放射線、検査部門 常時、医療技術職員各1人を配置する
−12月県議会に設置条例を提案予定−





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